少子高齢化が進み、全人口に対する高齢者の割合がどんどん増えてきています。
政府の政策も少子対策より高齢者対策を立てるのが精一杯。
子どもを育てるのに負担が大きいことから、若い人達は子どもを産むのを避けるようになり、少子高齢化はますます加速しています。
病院にいくと待合室はまるで老人ホームのように高齢者であふれかえっているほど。
特に、内科や整形外科などは高齢者率の高い診療科であることはいうまでもありません。
笑い話の中に、病院の待合室での高齢者同士の話があります。
「今日は○○さん来てないけどどうしたんだろうね」
「あぁ、○○さんなら今日は具合が悪いから病院にこれないんだって」
学校など来なくてはいけない場所ではなく、具合が悪いとき見てもらいにくる場所であるのに、具合が悪くて病院にもこれない人を心配するといううそのような話ですが、実際、似たような会話がされていることも多いようです。
それだけ、日常的に病院へくるのが習慣化している高齢者が多いのです。
そしてそういった高齢者の診察に当たる医師もまた、高齢者が多いのが実情です。
高齢者の多くは開業医を利用します。
慢性的な病気が多く、常に治療や薬を必要とする中で、大学病院などの大規模な病院だと待ち時間だけが長く診察時間は数分間程度という病院も多いです。
その点、開業医は若干混んでいても先生と近づきやすく、いろんな話もしやすいので開業医が人気が高いのです。
医師や歯科医師が開業するためには一定期間の研修医期間を経た後、開業資金を貯蓄してからでなければ開業できません。
当然、よほどもともと裕福だったという以外は資金をためるまで時間がかかりますから、開業するころには先生のほうも高齢化してくるというわけです。
しかし、薬剤師だけはちがいます。
病院内や病院に付属している調剤薬局などで勤務しているときは薬剤師になり立ての若い人が多いですが、高齢になってくると、調剤を間違えたり、人が混んでいるのになかなか思うように仕事が進まなかったりすると辞める人が多いといいます。
医師や歯科医師なら医療の知識や技術に自信がなくなったら引退となってしまいますが、薬剤師は高齢者になっても薬の知識などがしっかりしている限りは通常の薬局や薬店などで登録販売員として働くことができます。
高齢者になっても働ける魅力的な仕事なのです。